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ブログ詳細

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2025.07.07
インタビュー
【受賞者の声 vol.6 アースエイドさん】カツオにも肉にもしっくりくるオンリーワンの洋風“ぬた”

高知で出会った“ぬた”が原点


「カツオに合う葉にんにくぬた」。テレビや雑誌でも度々紹介される人気調味料です。


「起業のきっかけは、帰省した時に出された“ぬた”です」と話すのは須崎市浦ノ内にある「アースエイド」の代表取締役、嶋崎裕也さん。

関西で生まれ育った嶋崎さんは、年末年始に両親の出身地である高知県須崎市を訪れた時に初めて食べた “ぬた”のおいしさに魅了されました。

“ぬた”は地域によって材料が異なり、嶋崎さんが食べたのは葉ニンニクをすり潰して、調味料と混ぜ合わせて作られたもの。

それから時は流れ、自動車メーカーに就職するも、自分のやりたいことや将来を考えた時に「“ぬた”に使われていた葉ニンニクを自分で作りたい」と思い、退職して須崎市で農業を始めました。



自然の恵みだけで作るとおいしい



「エンジニア気質で、突き詰めて調べがちなんですよ」と嶋崎さん。


最初は北海道から沖縄まで各地で栽培されているニンニクをかき集めて、一斉に栽培を始めて、高知の気候や土と合うか、そして味を比べたそう。「これが面白いというか、食べて一番おいしかったのは土佐市で90歳を超えるおじいちゃんが種を絶やさないよう栽培していたニンニクだったんですね。灯台下暗しかって。」と嶋崎さん。

地元の人が蘭を栽培していた小屋を事務所兼実験場として借り、畑を探すものの好立地のところはすでに他の農家さんが使っていて、休耕地を借りて整地することになりました。「草が生い茂り何年も野ざらし状態の畑でしたが、逆に前の人が使っていた農薬も抜けきり、雑草が生い茂るぐらい土が自然の力で豊かになっていたんですね。僕たちは農薬&化学肥料に頼らず、土が持つ力のみでニンニクを育てています。そっちの方が味の輪郭がはっきりしておいしいんですよ。ちなみに『カツオに合う葉にんにくぬた』には化学調味料や人工甘味料、砂糖は使っていません。使わない方が葉ニンニクの上品で繊細な味が感じられると思うので」と、厳しい基準を持つ有機食品の国家規格、有機JASの認証を受けていることも教えてくれました。


受賞商品誕生のきっかけは

イタリアンの巨匠との出会い


カツオのタタキと相性抜群ですが、ローストビーフやこんにゃくなどにもオススメ。


起業前から6次産業化を見据えていた嶋崎さんは、ニンニクの栽培が軌道に乗ったことで、商品開発に着手します。

「栽培収穫から加工&商品化、販売までを一貫して自社で展開しようとは最初から考えていましたね。農業だけの1次産業だけではとても厳しくて…葉ニンニクは年に一度の収穫で、他の野菜を並行することも考えたのですが、葉ニンニクの品質だけは絶対に死守したいと思っているので実行することはなかったです」。

葉ニンニクは日持ちせず、摘むと味がどんどん落ちていくことから事務所の半径3km以内に畑を構え、収穫後すぐに加工できるように。そして、知り合いの居酒屋の大将のアドバイスを参考にするなど試行錯誤の末「ジェノベーゼな葉にんにくぬた」が誕生しました。

ある日、親交のある野菜ソムリエ上級プロから教えてもらった「日本野菜ソムリエ協会 調味料選手権2015」に「ジェノベーゼな葉にんにくぬた」を出品。すると「奥田政行シェフ審査委員長特別賞」を受賞しました。

国内屈指のイタリアンの巨匠として知られる奥田政行シェフから「ジェノベーゼソースにポン酢を合わせたら、魚や肉と相性抜群の調味料ができるのでは?」という助言を受け、全国各地のポン酢を取り寄せて試したり、ニンニクの量や味を整えるカシューナッツ選びなど改良を繰り返すこと約1年半、「カツオに合う葉にんにくぬた」が完成しました。



「高知家のうまいもの大賞」は

自分の商品を知ってもらえるきっかけになる


嶋崎さんは「応募して損になることはないと思いますね」とも言ってくれました。


葉ニンニクの風味とオリーブオイルのまろやかさ、無添加の塩ポン酢のさわやかな香りと深みのある味わいがマッチした「カツオに合う葉にんにくぬた」は、洋風の“ぬた”として販売店でも人気となりました。

手応えを感じた嶋崎さんは、「高知家のうまいもの大賞 2023」に応募し、最優秀賞を受賞。翌年の「高知を贈ろうギフトコンクール」の上位15選内の「島崎和歌子賞」にも選ばれました。

「高知家のうまいもの大賞最優秀賞という栄誉はコミュニケーションの入口になりますね。そこから高知の“ぬた”や自分たちの葉ニンニクについて知ってもらえたりするし、県外の商談だと取っ掛かりになって、バイヤーさんが興味を持ってくれますね」と受賞後の変化を実感しました。

改めて、本コンクールはどんな存在かを問うと、「なんらかの賞が取れて、テレビのニュースや新聞で報じられると、それが自己肯定感の向上や社員のモチベーションアップになって、これからも頑張ろう、他のコンテストにも出してみようって前向きになれるんじゃないかな。うちがそうでしたし。受賞できなくても審査員の感想をベースにして、さらにいい商品を生みだすことができるかもしれない。このコンテストにはいろんな賞があるので、どれかに引っかかることで、商品を見つけてもらう、世に出るきっかけになると思います」と、自身のことも踏まえながら話してくれました。


(DATA)

事業社名:株式会社アースエイド

住所:高知県須崎市浦ノ内西分2622

Web:https://earthaid.co.jp/

販売所:とさのさとAGRI COLLETTO、高知龍馬空港ビッグサン(2FJAL側)、須崎市道の駅かわうその里すさき、土佐せれくとしょっぷ てんこす、アースエイド公式サイト(オンラインストア)、他

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